Mekong Delta 2018 of メコンデルタ研修サイト

メコンデルタ国際研修運営委員会: 〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1Zビル5階
 (特活)東京労働安全衛生センター内

ベトナム・メコンデルタの「安全・健康・環境の参加型改善活動」ウェブサイトにようこそ
2000年から毎年夏に、アジア各国の仲間がベトナム・メコンデルタに集い、農村や中小企業の安全・健康・環境プログラムを企画運営して、地域開発に貢献しています。またそこで学んだ参加型活動を各国に応用して、大きな成果を上げています。あなたもメコンデルタに吹く、「参加型改善活動の風」を感じてみませんか?



Mekong Delta 2018

アジア6か国52名の参加者がベトナムカント市で参加型改善活動を学ぶ

DSCN1339.JPG
 第18回メコンデルタ参加型改善国際研修=メコンデルタ2018が、8月16日から23日まで、ベトナム社会主義共和国カント市で開催されました。日本から、14名の大学生を含む22名が、インドネシア、韓国、フィリッピンから4名の安全衛生活動者が参加しました。ベトナム側は、カント医科大学、カント医科薬科大学、ホーチミン安全衛生研究所等から26名の学生、教員、研究者が参加しました。本プログラムでは、海外とベトナムの参加者が、参加型安全衛生活動を学んだあと、トレーナーとして現地の人々に一日ワークショップを行います。対象は現地の病院関係者で、「ヘルスケアワークのための参加型改善活動」と名付けられ、2016年から続いています。本年はカント市の公立3病院、循環器病院、がん病院、産婦人科病院でした。

移動するバスの中で、遅れてきた参加者を見事ピックアップ

 8月16日午後、ホーチミン空港に集合した参加者は、バスでカント市に向かいました。一名の参加者が指定の時刻に合流できませんでしたが、ベトナム側の配慮でタクシーが用意され、ベトナム側運営委員のトウさんが、ピックアップすることになりました。バスがカント市に近づく頃、アイフォーン動画がベトナム引率者ギアさんのアイフォーンに送られてきました。そこには空港出口から入国してくる人々の姿が映し出されています。東京工科大学の五十嵐先生が、遅れてきた学生を見つけ手を振ると、彼女が近づいてきてアイフォーンで確認することが出来ました。移動するバスの中で空港から出てくる人を実況中継しピックアップを確認した現場に直面し、ガラ携の私はおおいに驚かされました。

越日のコアトレーナーが参加型活動をレクチャーする

DSC02326.JPG
 8月17日、開会式が宿舎のドアン30ホテルに近いタイナムホテルで行われました。ベトナムの女性たちはアオザイを着て私たちを迎えました。カント医科大学ファン チュン トゥアン学長が歓迎スピーチを行い、川上剛さん(インドILO在勤)のビデオメッセージが披露されました。アドバイザー小木和孝さんのキーノートスピーチが、グエン フォン トアイ(カント医科大学副学長で、本プログラムのベトナム側代表)により紹介され、五十嵐千代さんが、良好事例投票を行いました。
参加者は、各国で構成される4グループに分かれ、各グループで、リーダーとサブリーダーを決め、経験あるコアトレーナー2名が助言者として配置されました。各グループ名も付けました。その後参加型改善活動の学習会が行われ、レクチャーを聞いてグループ活動を繰り返しました。学習担当者は、参加型活動の6原則(トアイ)、アクションチェックリスト(石川雄一さん 癌研究会癌研究所)、良好事例をどう見つけるか(佐野友美さん 大原記念労働科学研究所)、6技術領域(仲尾)、ヘルスケアワークのためのワークショップ企画運営(トアイ)でした。夕方は、ドアン30ホテルで歓迎会が行われました。多くの参加者が民族衣装に身を包み、初日とは思えないほどの盛り上がりを見せました。

循環器病院で良好事例を集め、皆で行ったリハーサル

DSC01391.JPG
 18日の朝、循環器病院を訪ね、看護部のリリー レさんから病院の紹介を受けました。リリーさんは、メコンデルタ2016に参加した後、安全衛生責任者として病院改善に取り組んできました。今回参加する7名の参加者が紹介され、その方々の案内で病院を回り、ワークショップに使う改善事例を撮影しました。病院内ではグループで行動し、多くの患者さんが来院している外来棟、入院棟等を回りました。
午後と19日午前はカント医科大学で、撮影した写真を選択し与えられたプレゼンテーションファイルに基づいて、技術領域のプレゼンを作りました。ひとつの技術領域プレゼンテーションのスライドは約25枚あり、ベトナム語と英語で書かれています。スライド説明を分担で作り、ベトナム人+外国人のペアを作って発表に備えました。また各グループが担当する技術領域を象徴したパフォーマンスも必要で、そのパフォーマンス作りと練習も行いました。
さらに、開会式、アクションチェックリストを用いた病院巡回、改善計画を立てるセッション、閉会式の企画運営を行わねばならず、各グループは共同でその作業を行いました。
19日午後は全体リハーサルを5時間以上かけて行い、グループ討議を通じて各プレゼンを評価し、改善するための方策を話し合いました。このリハーサルは、参加型ワークショップを企画運営するための方法を実体験で学ぶというものです。あまりにも長時間で皆疲労困憊したと思いますが、この体験は必ず今後の自分の活動に活かされると思います。

3病院26名の医師職員が改善行動計画をたてる

G2-3.JPG
 20日はヘルスケアワークのワークショップが循環器病院で行われました。3病院から26名の参加者が集まりました。フサン産婦人科病院は初めての参加でした。仲尾がメコンデルタ2018開催前に訪問しましたが、2014年9月に新設され、350床、440名の医師を含む医療従事者が働いています。一日の外来は400名で、バイ副院長は高名な産婦人科医なので、遠方から多くの人々が来院されるそうです。
癌病院は3年目の参加ですが、今年は癌研究所との技術協力が締結され、数名の医師が来日研修することも決まっています。メコンデルタプログラムを媒介として、医療技術の国際交流プログラムも動いているのです。
ワークショップは、多少の時間超過はありましたが、おおむねスケジュールに沿って進行し、各グループのパフォーマンスを含む技術領域セッションも、リハーサルを踏まえ改善されて、とても分かりやすいものになっていました。最後に3病院の参加者が病院の各科ごとに改善計画を発表し、ベトナム側の運営委員会(カント医科大学のチーム)が、一か月、三か月のフォローアップ訪問を行うことを提案し、成功裏に閉幕しました。

メコンデルタの参加型改善活動を学ぶ

WS000114.JPG
 21日はカント市で行われてきた参加型改善活動を学ぶ日でした。約1時間かけてソンハウ農場という共同農場に行き、そこでの農業改善活動(Work Improvement in Neibourhood Development=WIND)の歴史と実際を勉強しました。WINDはメコンデルタで生まれ、国際労働機関(ILO)を通じて世界20か国以上で受け入れられている参加型改善活動です。午後は参加型改善の基本である中小企業の改善活動(Work Improvement in Small Enterprises=WISE)の現場を見に、Trung Anh農業機械工場に行きました。50人未満の小規模事業場ですが、メコンデルタ2015をこの工場で実施した後、地道な改善を続けています。
また22日は、現在進行中の高校生の参加型改善活動の報告を、ミニ参加型改善活動国際ワークショップの中で聞くことが出来ました。トイ ロン高校のトリン ディン フアット君と先生が、参加型環境保護活動(Work Improvement in Neigbourhood Development for Youth=WINDY)でまなんだ、生活学校改善の実際を紹介しました。
このワークショップでは、産業医科大学の若手産業医の皆さん、東京工科大学学生の皆さん、大原記念労働科学研究所佐野友美さんらが、インドネシア、韓国、フィリピン、ベトナムの人々と共に、研究や学校生活を発表しました。


DSC02426.JPG
 メコンデルタ2018は、成功裏のうちに終了しました。いつものようにお別れパーティは盛り上がり、参加者たちはお互い涙を流し抱き合って、この一週間の苦労と、友情の継続を誓い合いました。18回のメコンデルタ国際研修を通じて、アジアを中心に17か国、707名が参加しました。そして本活動を通じトヨタ財団、トヨタ自動車、地球環境基金の支援を受け、7つの国際協力活動が13年間にわたって行われ、現在も継続中です。
2000年にトンタットカイさん(当時カント安全衛生環境センター、現在ILOセネガル)、川上剛さん(当時労働科学研究所、現在ILOインド)、仲尾(東京労働安全衛生センター)の出会いで始まったこの活動が、地道に継続し、いろいろなネットワークを広げています、このネットワークに参加しているすべての皆様に改めて感謝申し上げ、もう少しは頑張りたい、と思っています。





milk_btn_pagetop.png

undefined