Mekong Delta 2016 of メコンデルタ研修サイト

メコンデルタ国際研修運営委員会: 〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1Zビル5階
 (特活)東京労働安全衛生センター内

ベトナム・メコンデルタの「安全・健康・環境の参加型改善活動」ウェブサイトにようこそ
2000年から毎年夏に、アジア各国の仲間がベトナム・メコンデルタに集い、農村や中小企業の安全・健康・環境プログラムを企画運営して、地域開発に貢献しています。またそこで学んだ参加型活動を各国に応用して、大きな成果を上げています。あなたもメコンデルタに吹く、「参加型改善活動の風」を感じてみませんか?



第16回メコンデルタ国際研修

アジア5か国から21名がメコンデルタで学びました

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 2016年8月6日から13日にかけて、第16回参加型改善活動を学ぶメコンデルタ国際研修がベトナム社会主義共和国カント市で開催されました。韓国、カンボジア、日本、フィリピンから21名の参加者、ベトナム24名の参加で行われました。今回のテーマは、「医療労働者の安全衛生」でした。
  本プログラムには、2014年12月に発足したメコンデルタ基金の支援を受けて、フィリピンから3名、カンボジアから2名の安全衛生の活動者が参加しました。
エリックス ローゾンさんはフィリピン工科大学の准教授で、安全衛生の実践家です。アレックス サカボーンさんは、アマンロドリゲス記念医療センターの安全衛生専門家、ジョイス アン クルズさんは、フィリピン労働雇用部に所属する安全衛生トレーナーです。
ユース ソクフェアラさんとタイ ヘンダさんは、カンボジア労働教育トレーニング省に所属する安全衛生専門家で、労働安全衛生部副部長カニタ イさん(メコンデルタ国際研修のコアトレーナー)と共に参加しました。
また今回、家畜(豚)農家の安全衛生を行っているチャン チ キム トアさんと、彼女の友人である南サイゴン開発会社ファン ゴク ダン タインさんが、ホーチミン市から参加しました。

国際ワークショップでは、ベトナム高校生の環境保護活動報告も

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 開会式は、8月7日午後1時から、カント市の諸団体代表を含む約80名の参加で行われ、小木和孝さん(大原記念労働科学研究所、メコンデルタ国際研修アドバイザー)が「さまざまな労働環境を改善するための参加型トレーニング」と題したキーノートスピーチを行い、その後ベトナムの良好事例投票を、五十嵐千代さん(東京工科大学)のコーディネートで行いました。休憩の後、PAOT(Participatory Action-Oriented Training=参加型活動トレーニング)ミニ国際ワークショップが開催され、各国での活動が紹介されました。ベトナムからの、メコンデルタ2015の舞台となった、チュンアン農業機械工場の労働組合代表の職場改善報告と、ルウ フウ フオック高等学校の高校生の家庭学校の環境改善活動報告は大きな注目を浴びました。

メコンデルタ国際研で育った多くのトレーナーで研修が進む

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 8月8日は参加型安全衛生活動を学びました。午前中は、メコンデルタ国際研修のベトナム側運営委員会代表である、グエン フォン トアイさん(カント医科大学副学長)が、参加型改善活動の6つの原則を、吉川悦子さん(東京国際有明医療大学)が、参加型改善の7つの領域を話して、佐野由美さん(大原記念労働科学研究所)がそれにちなんだゲームを行いました。また事務局仲尾豊樹がメコンデルタ国際研修の歴史を話しました。
午後は、久宗周二さん(東京高崎経済大学)が、参加型活動で最も基本となるアクションチェックリストの使い方を、カニタイさん(カンボジア労働教育トレーニング省)が、良好事例とは何かを、五十嵐千代さんが、本研修に参加した5か国の良好事例投票を、最後にトアイさんが、一週間のトレーニングの作業分担について説明を行いました。

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 8月9日は、カント市にある国立ベトナム伝統医療病院を訪問して、8月11日のトレーニングに備えた良好事例を収集しました。トレーニングには、カント市内の3病院から医師、看護師等25名が参加するとのことで、参加者は4班に分かれて病院内のさまざまな改善を、相談しながら写真に撮りました。その後、2015年にメコンデルタ2015が開催された、チュンアン農業機械工場を訪ね、昨年の国際研修の後工場の労働者によって行われた改善事例の実際を見学しました。工場通路に白線が引かれる、様々な作業にあった椅子が作られる、明かり取りの為に屋根に天窓が作られる等、多くの改善を目にすることが出来ました。
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 午後は各グループに与えられた課題にそって、自分たちが病院で撮影した写真を、プレゼンテーションファイルの写真と入れ替える作業を行いました。各グループの課題を表1に示します。準備作業は8月10日も継続し、10日の午後からはトレーニングリハーサルが5時間にわたって行われました。一つのグループのプレゼンが終わると、皆で良かった点、改善点を討議し、その後トレーナーのコメントをもらいます。メコンデルタ国際研修の重要なセッションです。時間が不足し、その後改善が十分に行われなかったところもありましたが、重要なのは、「各グループが一生懸命準備したプレゼンテーションと発表を、皆で評価し、改善につなげ、トレーニング当日に備える」、という手順を全員で体験することでした。

カント市3病院から25名が参加し、病院安全衛生改善を学び計画を作る

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 8月11日のトレーニングの朝は大雨になりました。それでも病院から25名の参加者が集まり、開会式に続いてアクションチェックリストの説明などスケジュールに沿ってワークショップは進められていきました。アクションチェックリストに基づく病院内の巡視が行われる頃には雨も小やみになりました。
トレーニングは1セッション50分間で、各安全領域に即したゲームやパフォーマンスが10分、メコンデルタ研修参加者(各病院参加者にとってはトレーナー)によるプレゼンテーションが15分~20分、参加者によるグループ討議と発表が20分です。これが4つの技術領域について繰り返され、最後には改善計画を作るセッションが、参加者を各病院の部署別に分けて行い、病院ごとに発表しました。この計画は、1~3か月後の短期改善計画と、3~6か月後の長期計画に分かれています。
東京労働安全衛生センターは、2病院とこの計画のフォローアップについて、3年間の技術協力協定を交わし、今後病院改善フォローアップについて、カント医科大学のメンバーが行うことで協力していきます。

グループ活動で盛り上がったレクレーション

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  8月12日、トレーニングが終わりさわやかな気分で参加者は、カント市郊外のリゾート果樹園に行き、船や電気自動車で園内をまわり、トロピカルフルーツの味を楽しみました。また、各グループ対抗のさまざまなパフォーマンスをしました。グループ代表が目隠しをして逃げ回るあひるを捕まえる競技、キャットフィッシュの手づかみ大会、竹一本で作られたモンキーブリッジを渡る競技、そして捕まえたキャットフィッシュで料理を競うクッキングコンテスト等、おおいに皆で楽しみました。さよならパーティでは、日本人女性はベトナムの民族衣装アオザイを装い、ベトナム人女性はゆかたをまとって、食事にダンスに興じました。

メコンデルタ2016は病院安全衛生で貴重な一歩を踏み出した

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  医療労働のための安全衛生研修ツールの作成とその活動の拡大は、世界的にも重要な意義を持っています。今回メコンデルタ国際研修で開発された医療労働のためのアクションチェックリスト、技術領域プレゼンテーション、そしてトレーニングカリキュラムを修正し、さらに使いやすいものにしていくことが望まれます。そのために、今回の伝統医療病院でのトレーニング成果を収集し、今回作成されたアクションチェックリストを使って、さらに他の病院に置いてもトレーニングを行っていきたいと思います。

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