Mekong Delta 2014 of メコンデルタ研修サイト

メコンデルタ国際研修運営委員会: 〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1Zビル5階
 (特活)東京労働安全衛生センター内

ベトナム・メコンデルタの「安全・健康・環境の参加型改善活動」ウェブサイトにようこそ
2000年から毎年夏に、アジア各国の仲間がベトナム・メコンデルタに集い、農村や中小企業の安全・健康・環境プログラムを企画運営して、地域開発に貢献しています。またそこで学んだ参加型活動を各国に応用して、大きな成果を上げています。あなたもメコンデルタに吹く、「参加型改善活動の風」を感じてみませんか?



メコンデルタ2014が今年もベトナムカント市で開催

経験豊かなトレーナーと共に40名の仲間がカント市で参加型改善活動を学ぶ

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 8月7日から14日にかけて、参加型改善活動を学ぶ国際研修「メコンデルタ2014」が、4ヵ国22名が参加してベトナム社会主義共和国カント市で行われました。ホストであるベトナム側も大学生、大学教員など20名が参加しました。
メコンデルタ国際研修は2000年から続く、参加型改善活動を専門的に学ぶ恒例の国際イベントです。この研修では、参加型改善活動のワークショップを実施する過程と実施後のフォローアップ活動を体験するとともに、参加型改善活動のトレーナー(ファシリテーターともいう)に必要な、態度や技術を学びます。また、ベトナムメコンデルタの人々の労働と生活を改善するための研修のため、地元の文化に触れることで研修がより具体的・効果的に進みます。
日本からは、トレーナーとして小木和孝さん(国際産業保健学会会長)、川上剛さん(ILO本部)、五十嵐千代さん(東京工科大学)、中地重晴さん(熊本学園大学)と仲尾(東京安全センター)が参加し、産業医科大学をはじめとする11名の応募がありました。カンボジアから労働教育の専門家であるカニタ イさんをはじめとする計3名のスタッフが、韓国順天郷大学から若手医師のナ ジュヨンさんが、マレーシアからン イグアンさんら2名の若手研究者が参加しました。
ベトナムは、カント医科大学副学長(NGOGREEN主催)のグエンフオントアイさんとそのチームが運営委員会を構成、カント大学、カント医科大学の学生と教員が参加しました。

新たな環境保護活動普及トレーナー養成プログラムが開始

 8日の参加型活動を学ぶワークショップは、本年度から地球環境基金の支援を受けて行われている「ベトナムカント市における青少年向け環境保護活動普及のためのトレーナー養成プログラム」の出発式として行われ、カント市各関係部署から多くの参加者が集まるとともに、2011年から2013年にかけて東京労働安全衛生センターが実施した「ベトナムメコンデルタ地域における青少年向け環境教育プログラムの開発と実践」=WINDYの成果が農民や高校生から報告されました。ワークショップの模様はカント市のテレビやWEBサイトでも紹介されました。
12日には、参加者ベトナム、海外の参加者が、コード―県トイホン自治区のチャンゴックホアン中学高校と、中学生や高校生のお宅を訪問し、チャンゴックホアン校のWINDY展示場で生徒たちの改善事例にふれるとともに、子供たちの家では、子供たちの案内によって、農村の生活・学習に密着したユニークな改善活動を学びました。

ピストンリングを製造する中小企業の労働者に安全衛生ワークショップを行なう

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 今回のメコンデルタ国際研修のもうひとつの目的は、カント市の中小企業で安全衛生ワークショップを行なうことでした。カント市の中小企業では、2000年代にカント労働衛生教育センターの指導の下で、参加型安全衛生改善活動=WISE(Work Improvement in Small Enterprises)が盛んに行なわれました。しかし最近は低調傾向でした。今回、私たちと親しい関係にあり、今までも会社主導でさまざまな改善を進めて営業成績を伸ばし、最近は新工場も作ったソンハウ機械加工工場のタンホン社長が、一日ワークショップ受け入れを快諾してくださいました。
私たちは、9日の同工場を訪れ、昨年のWINDYプログラムと同様、工場の良好事例を収集し、10日と11日は準備とワークショップリハーサルを行ないました。ワークショップリハーサルは、4時間行なわれ、各グループのプレゼンテーションやパフォーマンスを全員で評価し、本番に向けて改善しました。
12日は朝7時半から工場に赴き、25名の労働者と共に安全衛生ワークショップをしました。会場は工場内で、電気炉とクレーンの横が臨時会場となりました。機械油のにおいが漂う中で、労働者たちは、海外からの参加者のプレゼンに聞き入り、ゲームを交えたワークショップを楽しみました。次第に労働者の数は増え、ワークショップ中盤には同工場で働くほとんどの労働者が集まりました。

各国の参加者から積極的な意見がよせられる

各国の代表の意見に基づき、来年もメコンデルタ国際研修は継続することになりました。各国からのリピーターとして参加する人々は、各国で参加型研修のリーダーとなっており、今後の活躍が期待されます。以下、初めての参加者の感想文の一部を掲載します。
岡田岳大(産業医科大学産業医実務研修センター)
1. このような規模の会社や労働者に対しては、大きな改善よりも小さな改善の積み重ねが大事であると感じました。
2. また自ら考え、実行するように仕向けることで、労働者自身による継続した改善が行なえるということを理解しました。
3. このようなプログラムを行なうにはファシリテーター側のチームワークと労働者との親密な関係を築くことが必要である、と実感しました。
 川上佳風(スイス インターナショナルスクール 中学生)
学んだ点
1. プレゼンテーションでは、労働者との相互関係が重要です。
2. 常識の適用で労働改善は豊かになります。
3. 工場にとってとても効果的なトレーニングです。
改善点
参加者やファシリテーターは、常に共通言語(英語)を使うようにする。
何人かの参加者は、ベトナムの文化を受け入れるよう、もっと積極的になるべきです。
次回は、ベトナムの国家遺産として認定されたビンテュイ住宅を訪れてみたい。
 コブ ブントエウン(カンボジア労働福祉省労働者トレーニング担当)
学んだ点
1. どのように参加型トレーニングを成功裏に実施するか、労働条件改善にどのように役立てるかを学びました。
2. メコン川周辺国の参加型安全衛生活動の経験を交流し、中小企業労働条件改善にこのトレーニング理論を適用するかを学びました。
3. さらに、継続的にかつ効果的に中小企業に対して、このトレーニングを創造し、拡大するのかについても学びました。
改善点
1. スケジュールがとても短く、内容がびっしりつまりすぎている。スケジュール調整と内容を広くもったほうがよい。
2. メコン川周辺国すべての国々から、参加型改善活動に関連する経験を共有するために、参加者を招くように要求したい。たとえば中国等。

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