労働生活改善のための技術領域 of メコンデルタ研修サイト

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ベトナム・メコンデルタの「安全・健康・環境の参加型改善活動」ウェブサイトにようこそ
2000年から毎年夏に、アジア各国の仲間がベトナム・メコンデルタに集い、農村や中小企業の安全・健康・環境プログラムを企画運営して、地域開発に貢献しています。またそこで学んだ参加型活動を各国に応用して、大きな成果を上げています。あなたもメコンデルタに吹く、「参加型改善活動の風」を感じてみませんか?



労働生活改善のための技術領域

労働生活改善のための6つの技術領域

 メコンデルタ国際研修では、労働や生活の改善には6つの基本的な技術領域から、総合的に改善活動を考えることを強調します。6つの技術領域とは、1.ものの保管と移動、2.ワークステーション、3.機械の安全、4.物理的環境の改善、5.環境保護、6.福利厚生と作業編成です。
 この分類は、PAOT(Participatory Action-Oriented Training)の広まる中、1998年に国際労働機関(ILO)が国際人間工学会(IEA)の協力の下に出版した「人間工学チェックポイント」に環境保護を加えたもので、マニュアルブックやパワーポイントファイルになって、教材として使えるように編集されています。

各技術領域のルールには具体的な改善対策が示されます

 それぞれの技術領域は、3つから5つの基本ルールがあります。そして、各ルールには、5つから8つの具体的な改善対策が示されています。これらの改善対策は、イラストで書かれ、どのように改善するのかが一目で分かるように工夫されています。イラストの後には改善事例が写真で示されます。これらは地元で達成されたものです。地元の条件で充分に実施できる改善、私たちはこれを「良好事例」と呼んでいます。
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地元にある、低コストで、効果的な良好事例は改善活動を活発にします

MHpp2.jpg次に現地で収集した良好事例写真を示します。MH1pp.jpg技術領域改善事例:まずイラストで一目でわかる良好事例を示します。

 測定結果や、健康診断結果を応用して改善を行う場合もありますが、良好事例から学び、良好事例を自分の労働や生活にも応用することで改善活動は進みます。そしてグループやチームで討議しながら、低コスト改善を段階的に進めることが大切です。メコンデルタの中小企業や農村で行われている参加型改善活動は、地元の実例を改善の目標にしているので、日本をはじめとしてどの国でも幅広く応用できるものです。

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アクションチェックリストは改善対策作りに役立ちます

action checklist model.jpgアクションチェックリストの例

 アクションチェックリストは、すぐ出来る改善対策を、5から6項目ごとに合計30から40項目にまとめたものです。各項目はすぐ実施できる改善対策がわかりやすいことばで書かれていて、その横にはイラストが示されます。イラストでどう改善するかが表されているので一目で改善対策が分かるようになっています。 
 チェックリストというと、すぐに忘れ物がないか、間違いはないか、などとチェックする一覧リストを思い描きがちです。このようなチェックリストは、産業安全保健の分野でも、職場安全パトロールなどでよく使われます。
 アクションチェックリストは、このような問題点を指摘していくチェックリストとは異なります。その現場の状況から見て、その対策を提案するかどうかを記入するために使うものです。メコンデルタ国際研修の後に、アジア各国の参加者は、さまざまなアクションチェックリストを開発し、産業安全保健や地域開発に活用しました。
 日本では、小規模作業場、建設産業、医療・介護労働、事務労働に。韓国では、生活保護をうけている高齢者の生活改善、農業労働、テレコミュニケーション、スーパーマーケットなどのサービス産業に。バングラデシュでは、精米労働現場に、などです。                         

まずよい点を探し、次に改善点を見つけて改善対策を作ります

action checklist model2.jpgアクションチェックリストの改善提案項目

 右の写真ははアクションチェックリストの項目です。まず、改善対策が書かれています。.この例では、「通路を広く取って、人やものがスムーズに通れるようにします」 という対策が書かれています。そして「この改善を提案しますか?」という質問が続きます。
 この対策がすでに出来ているなら「NO」にチェックします。「NO」は改善がすでに出来ていることに相当します。この労働生活現場にあるよい点ですから、良好事例として学んだという意味にもなります。
 改善対策が必要なら「YES」、改善を提案するにチェックします。「YES」にチェックをつけたら、どのように改善するかについてのアイデアを、備考欄に書き加えておくとよいです。
 すべての項目で「NO」「YES」のチェックが終わったら、「YES」の中で、緊急に改善すべき項目に「優先」チェックをつけます。アクションチェックリストを使うと、すぐの改善対策を、多領域において提案しやすくなります。

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